白内障と認知症

真夏の猛暑からだんだんと過ごしやすい季節になってきました。
もうすぐ各地で紅葉シーズン到来ですね!!
きれいに色づく木々を見ていると心が癒やされる気がします。

さて今回のテーマは白内障と認知症です。
最近、高齢の認知症患者様がよく来院されます。
先日ご家族に付き添われ、来院された患者様も認知症を患っていました。
以前から見えにくそうにしていたようですが、色々なご事情もあり
眼科受診出来なかったようです。

診察の結果は、白内障でした。
しかも白内障が進行し、視力もかなり悪くなっていました。

当院での日帰り手術を希望されましたが、認知症の程度が強く日帰りでは
困難と説明し、全身麻酔が可能な病院を紹介させていただきました。
数日後、患者様のご家族が
「紹介先の病院でも認知症の程度が強く手術を断られた」と相談に来られました。
この患者様は今後、手術はせずに経過観察することになりました。

視覚情報は、脳が外部から得る情報の約80%をしめています。
視力の低下はそのまま脳への刺激低下につながり、脳の働きを衰えさせる
原因になるという研究結果や、見えにくい状態が長く続くと更に認知症が
進行するという報告もあります。

今回の体験は私の両親と年齢の近い患者様でしたので、本当につらい経験でした。
何歳になっても、見えることの楽しさ、素晴らしさを感じることができるよう、
またご家族の大切な目を守る為にも、見えにくい、はっきり見えないなど
少しでも症状があれば早めの眼科受診をお願い致します。